株式会社下堂園

株式会社下堂園 <鹿児島茶を全国へそして世界へお届け致します。日本茶の喫茶店 ティースペース ラサラ>

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自然栽培茶の研究。“奇跡のリンゴ”木村秋則さんとの出会い
下堂園インターナショナル設立の翌年、1999年(平成11年)11月には、現住所である鹿児島市卸本町に本社ビルを建設。お茶作りの工場も併設し、本社機能を完全移転しました。これにより、研究開発から、火入れや茶葉のブレンドといった製造、お茶のパッケージ封入に至るまで、お茶作りに関わる全ての工程を、本社で行えるようになったのです。

有機栽培への取り組みと有機農園ビオ・ファーム設立。海外進出に、本社ビル建設。90年代、次々に訪れた転換期を乗り越えていくなかで、社長以下全社員のお茶作りに向かう意識は、さらに強く、時代を見据えた新たなものへと、変わっていきました。

それは専務の洋も同じこと。有機栽培に関わるようになってからの洋は、「本当に安全なものとはなんだろう」と、食材作りについて、熱心に勉強するようになります。そして、企画力と行動力で周囲をあっといわせ続けてきた洋は、ここでも自分の持ち味を発揮していくのです。

有機栽培の勉強を続けていくなかで洋は、「食の安全」を考える生産者たちのネットワーク、その勉強会に顔を出すようになっていきました。そこで出会ったのが、後に「奇跡のリンゴ」で知られるようになる木村秋則さん、その人でした。

不可能とされていた「無農薬・無肥料でのリンゴ栽培」を実現した木村さん。洋は、木村さん独自の自然栽培理論を知るにつれ、「自分たちも、ぜひ自然栽培でお茶を作りたい」と考えるようになります。何度も意見交換をしていくなかで、洋の想いは木村さんに伝わり、2人は生産者同士としての信頼関係を築いていきます。そして、2004年(平成16年)ついに、青森在住の木村さんに、鹿児島の「ビオ・ファーム」まで来てもらい、直接、自然栽培のお茶作りにご協力いただけることとなったのです。

まずは、ビオ・ファームの一角、およそ4畝(うね)ほどの小さなスペースで、自然栽培のお茶作りがはじまりました。

リンゴ作りでもお茶作りでも、木村さんの「肥料を与えず、自然の力で栽培する」という理論は同じ。有機肥料や堆肥などを一切使わずに、お茶の木を育てるのです。何もかもが、まったく初めての試みでした。

ビオ・ファームのスタッフたちがやるべきことは、畑を自然の状態に近づけること。雑草が生い茂り、益虫と害虫が共存する茶畑を作るのです。来る日も来る日も、茶園の中にもぐり、お茶の木の形を整える作業が続きました。しかし、茶の木が環境の変化に対応するには、時間がかかります。少しずつ新芽は出るものの、ほとんど収穫できないという時期が、4年続いたのです。やっと、一番茶を収穫したのは2008年5月(平成20年)の出来事でした。

しかし、出来上がった茶葉は、まさに奇跡の茶葉。同じ品種の木でも、肥料を与えた木とは異なる、力強い香りとやさしい喉ごしのお茶が生まれたのです。この自然栽培のお茶は現在「自然栽培茶」として商品化されています。

専務・洋が夢見た自然栽培によるお茶。その収穫を見届けた翌年、洋は2009年(平成21年)11月、この世を旅立ちました。享年59歳という若さでした。

大学との共同研究や「生姜紅茶」などの食材茶による新たな取り組み
有機農園ビオ・ファームでは、日本茶のみならず、ミントやレモングラスなどのハーブを育成する取り組みも行っています。そして、ハーブを用いた新たな研究も始まっています。その1つは、お茶の水女子大学公認のサークル「Ochas」との共同研究です。

ビオ・ファームで育てたハーブを使い、学生たちが自由な発想で、味や香りなどのブレンド率を企画。そして、実際に茶葉のブレンド率を決めていきます。すでに、「ゆず&ミント緑茶」「ハーブ&ほうじ茶」など、学生企画によるお茶が、数点商品化されています。

もちろん、下堂園の新商品開発に対する取組みはこれだけにとどまりません。有機農園ビオ・ファームを持ったことにより、下堂園では常に、新しいお茶、新しいおいしさを求める研究ができるようになりました。社内ではいまも、新たな商品の芽が、社員たちによって生み出され続けています。

そうした新商品のなかにあって、近年とくに集めたのが、「生姜紅茶」シリーズです。ビオ・ファームで栽培した、生姜と紅茶から作られたこの商品は、「生姜で体を内側から温める」という特長と、飲みやすくおいしい味わいで、女性誌などのメディアでもさかんに取り上げられるなど、多くの女性に支持される人気商品となりました。
また、2010年3月の「鹿児島県 新作観光土産品コンクール」では、鹿児島産にこだわった食材と、高級感のあるパッケージデザインが評価され、優秀賞を受賞。「生姜シロップ」「生姜パウダー」といったシリーズ化もなされ、下堂園の新たな代表作になっています。