Vol.5 ドイツ・ボン市 Heuschrecke Naturkost

下堂園インターナショナル代表のマルクスと、ハインツ=ディーターさん

ドイツ西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州。ベートーヴェンの故郷としても知られるボン市にほど近い工業団地内に、1軒のティーブランドがあります。「Heuschrecke Naturkost (ホイシュレッケ ナチュルコスト)」。Heuschreckeとは、ドイツ語でバッタのこと。まるで仮面ライダーを思わせるようなバッタがシンボルマークの、ナチュラルフード専門店です。ちなみにバッタは環境の変化にとても敏感な昆虫で、生物多様性や自然環境保全の象徴としても知られています。
ここでなんと言っても目を引くのが、オーナーのハインツ=ディーターさんの風貌。胸までかかるような白髪の長髪に、同じくらいの長さまで生えた豊かな白髭。まるで仙人のようないでたちながら、豪快な笑い声で軽快なジョークを飛ばす話好きな性格。聞くと、25年も一切ハサミを入れず伸ばし続けているとか。
そんなストイックな彼が、奥さんのウルスラさんと一緒にオーガニックのお茶、ハーブとスパイスを専門に扱うHeuschreckeを立ち上げたのは、今から40年以上も前の1977年。ただオーガニックの原料を扱うだけでなく、顔が見える生産者との長期的でフェアな取引をベースとした信頼関係づくりを大切に買い付けを行っており、更には生産地域の人々の伝統的なライフスタイルや自然環境を守る取り組みを続けています。
下堂園インターナショナルとも、1998年の立ち上げから数えて25年の付き合い。鹿児島産の有機かぶせ茶1番茶、かぶせ茶2番茶、そして3番茶と秋番茶、有機抹茶など、一通り取り扱っています。
ハインツ=ディーターさんの信念とともに、今やドイツのオーガニック界では知らない人はいない老舗となったHeuschrecke。今日もどこかでお茶を飲みながら、彼の軽快なジョークと笑い声が聞こえてくるようです。

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